バードウォッチング専門マガジン.一種類の鳥を特集したり,観察機材,撮影機材,探鳥地ガイドなどの特集で色々と参考になる.
決定版日本の野鳥650/平凡社(2014年)
日本と北東アジアの野鳥/生態科学出版(2016年)
この3冊は大きさ・厚さ・収録種数ともに同程度.収録種は日本でみられる鳥のほとんどをカバーしているので,1冊あれば大抵の場合対応できる.
日本の野鳥(叶内拓哉)は後二者と比べ若干収録種数は少なめだが,写真が豊富で鳥の鑑別には大変重宝する.特徴をよく表しており,特に成鳥,幼鳥,夏羽,冬羽と数種類のパターンの写真が掲載されている.また亜種についての記述も充実している.
2013年12月には日本鳥類目録第7版に準拠した新版がでた.
旧版日本の野鳥590(真木広造)はとにかく収録種数が豊富である.写真は非常に綺麗だが基本的に各種に対して写真は1〜3枚で,前者と比較し少ない.前者のように成・幼鳥,夏・冬羽の比較写真も少なく,また一部海外で撮影されており,日本でみられる時期が違ったり(夏・冬羽の違い),亜種であったりする可能性もある.綺麗な写真が必ずしも識別に役立つとは限らない.
新しくなった同650は写真も入れ替わり特徴がわかりやすくなった.ただ叶内版には及ばない感じがある.
前記の2冊に続く写真図鑑.673種と掲載種は前二者を超える.書籍名からわかるように日本未記録でも今後日本で観察される可能性の高い北東アジアの鳥も掲載されている.最近は離島などでの鳥見で迷鳥を観察することもあり,迷鳥ハンターには便利だろう.写真も非常に綺麗である.
この手の写真図鑑は他にも出ているはが,とくにこの3冊は別格だ.日本でみられる野鳥のほとんどをカバーしており,鑑別のポイントもわかりやすく解説している.ただ厚みがあり,すこし重いのでフィールドに持ち出すことはなく,自宅で写真を見ながら鑑別に使っている.
3冊のどれがよいかとなると個人的には叶内版をおすすめする.
新・山野の鳥ー野鳥観察ハンディ図鑑/日本野鳥の会(2013年)
新・水辺の鳥ー野鳥観察ハンディ図鑑/日本野鳥の会(2013年)
ともに日本野鳥の会の本である.
フィールドガイド日本の野鳥は歴史も古く,長い間バイブル的な存在であった.手元にあるのは増補版で,その後も改訂を繰り返しているようだ.
収録種数も前のものと比べ引けを取らない.ただイラストであり,微妙な羽の色彩など伝わりにくいことがあるのは残念だ.
山野の鳥,水辺の鳥は初心者向けの本である.非常にコンパクトである.価格も安く2冊まとめて使用したい.最初に手にしたフィールド図鑑はこの2冊で,小学生の頃.2冊を接着剤で貼り合わせ1冊にして使っていた.
手元にあるのは初版.野鳥図鑑は写真図鑑が多く,イラスト図鑑は野鳥の会のものぐらいであった.この図鑑は635種(+外来種22種)扱われており,野鳥の会の図鑑より多い.紙面構成は野鳥の会の日本の野鳥とほぼ同じだが,イラストはさらに緻密で美しい.フィールド図鑑としては識別点が写真よりイラストの方が分かりやすいかと思ったが,図版は小さく,1種あたりの図版も多くはない.識別点の描写も特に分かりやすいというわけでもない.説明文もあまり詳しくはない.やや期待外れ.2020年に第2版が出た.
新訂カモハンドブック/文一総合出版(2012年)
タカ・ハヤブサ類飛翔ハンドブック/文一総合出版(2016年)
カモメ識別ハンドブック/文一総合出版(2010年)
新海鳥ハンドブック/文一総合出版(2020年)
この5冊は文一総合出版のハンドブックシリーズである.コンパクトではあるが鑑別点について詳しく載っている.もちろんコンパクトなので野外での鑑別にも便利だ.たとえば干潟では「シギチドリ」,漁港でのカモメウオッチには「カモメ」,船でのクルーズバードウオッチングでは「海鳥」など目的にあったものを持っていくとよい.
ワシ類の鑑別用としては文一総合出版のハンドブックに比べ大きく厚い.その分,いろいろな方向からの写真が多く掲載されている.猛禽類の識別が苦手なので大変重宝している.特に遠くの飛翔姿の識別には役立つ.
決定版日本のカモメ識別図鑑/誠文堂新光社(2019年)
この2冊は氏原巨雄,氏原道昭親子によるイラストと写真による識別図鑑である.両氏は鳥のイラストの第一人者,精密なイラストは非常にわかりやすい.識別点も細かく解説してある.さらにそれを補うように写真も掲載されており,識別の参考になる.雑種の写真も豊富である.使う頻度は少なくとも必需品的な一冊だ.
図鑑と探鳥地ガイドでまるごとわかるバードウォッチング/JTBパブリッシング(2013年)
富士山バードウォッチングガイド/文一総合出版(2014年)
東海・北陸.信州探鳥地ベストガイド改訂版/メイツ出版(2019年)
東京近郊でのバードウオッチングのガイドブック2冊.内容的には似ている.
「東京近郊ガイド」ではおすすめ装備のいう項目があり,各探鳥地での撮影で,どの程度の焦点距離のレンズが良いか記載してある.これは非常に参考になる.
「図鑑と探鳥地ガイドでまるごとわかる」では関東地区以外に,中部,関西の探鳥地も紹介している.実際比べてみて見やすいほうを1冊購入するといいだろう.
富士山周辺は東京からも日帰りで行ける探鳥地でもあり,コースはトレッキングに手頃.メタボ対策にもなりそうだ.
中部地区は個人的にはほとんど未開の地.このガイドブックを非常に参考となりそうだ.今後この地域に出撃したいと計画中.
下の「日本の探鳥地」の改訂版.現在のところ首都圏編と北海道編のみ.大きさはA5判となり携帯に便利になった.中身もほぼ一新されカラーで見やすい.ただ旧版もだが,有名探鳥地ばかりで,もうちょっとマイナーな探鳥地も紹介して欲しいと思う.(もっとも本で紹介した途端マイナーからメジャーになってしまいますが…)
決定版日本の探鳥地/文一総合出版(2004〜2005年)
さあ!何処へ行こうか.そんなときは探鳥地ガイドブックで下調べ.しかし野生の鳥が相手である.ガイドブックどおりに鳥がみられるとは限らない.また開発で山野自体がなくなっていたり,海岸が埋め立てられている場合もある.出版から時間がたち,ちょっと古くなった感がある.最近ではネットでの情報収集が便利かもしれない.
なお,首都圏と北海道は新版として「新日本の探鳥地」となった.他の地域については2019年ジャパンバードフェスで文一総合出版のブースで聞いたところ,予定はないとのことであった.九州・沖縄は是非新版としてリニューアルして欲しい.
野鳥識別ハンドブック/日本野鳥の会(1984年改訂版)
鳥地図鑑首都圏/小学館(2000年)
沖縄県の探鳥地ガイド 沖縄県立博物館編/東洋企画印刷(1999年)
岩本流 野鳥観察手帳/山と渓谷社(1978)
アニマ(月刊誌)/平凡社