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鳥見には双眼鏡が必須だ.鳥を探すとき,観察したいときには必要だ.鳥見には7〜8倍の双眼鏡がちょうどいい.慣れてくれば10倍ぐらいでもいい.これ以上高倍率だと視野が狭くなり鳥を捕らえるのが大変で,例え捕らえたとしても手振れのため見づらく,目が疲れる.最近では手ぶれ補正機構の入った双眼鏡もあり,それなら12〜15倍でもいいかもしれないが(使用経験がないのではっきりとはいえないが…),双眼鏡自体重くなってしまう.

カタログを見ると倍率の後ろに二桁の数値がある.対物レンズの有効径で数値が大きいほど解像力と明るさが増す.なるべく大きいものを選んだ方がいいが,双眼鏡自体も大きく重くなる.8〜10倍の双眼鏡なら30〜40程度がいいだろう.
さらに視野の広い方が鳥を探しやすい.見掛け視界の広い方がいい.60度以上あるといい.携帯重視でコンパクトな双眼鏡でも55度以上は欲しい. 
さらに防水加工のものがいい.急な雨でも心配ない.さらに海岸での鳥見では塩がつくことがあるが,防水加工してあれば清掃もしやすい.

参考までに今まで使ってきた鳥見用の双眼鏡を紹介しよう.
 
このうちNikonの9×30,Canonの10×25は使わなくなったため,日本鳥類保護連盟の寄附した.フィリピンの鳥類研究の団体へ送られ,役立てられている.

 
 FUJINON ポロプリズム双眼鏡 
最初の双眼鏡は小学生の頃,伯父からもらったもの.相当古いもので所謂お下がりである.倍率は7倍程度であったが,口径が大きく50mmぐらいあったと思う.ただ思ったほど重くない.
レンズには曇が見られ,親の知り合いに頼んでクリーニングしてもらった.
とにかくでかい代物で,伯父にバードウォッチングに連れて行ってもらうときには持って行くが,それ以外ではほとんど使うことはなかった.その後は行方不明となってしまっている.
 
 Nikon 9×30DCF 

倍率 9倍
対物レンズ 有効径30mm
瞳径 3.3mm
実視界 6.7°
実視野角 60.3°
最短合焦距離 5m
アイレリーフ 11.1mm
サイズ 118 × 113mm・440g
価格 ¥35,000
発売 1976年

高校生の時に買ってもらったダハプリズム式の双眼鏡だ.スタイルは無駄のないシンプルなデザイン.非常にコンパクトで軽い.

覗いてみると明るく,視野が広い.シャープさやコントラストがいまいちと評する人もいるようだが,実際他の双眼鏡と見比べることもないし,それほど気にならない.確かこのモデルは結構長い間製造していたと記憶している.ロングセラーということは当時の評価もそれなりに高かったと思われる.

その後20年近く使い続けたが接眼部のガラスに細かな傷が無数についた.同じものを購入しようと思ったが,すでに製造中止となったいた.シンプルなデザインでお気に入りだっただけに残念だ.
 
 Canon  10×25A 
倍率 10倍
対物レンズ 有効径25mm
瞳径 2.5mm
実視界 5.2°
最短合焦距離 3m
サイズ  66 × 107mm・310g
価格 ¥24,200

最近の双眼鏡は非常にコンパクトだ.旅行に持ち歩くことも考え軽量コンパクトなものがいいと思い購入した.しかしこれが大きな間違いであった.バードウォッチングでは,とにかく視野が狭いのは致命的である.また比較的長時間覗く場合,軽すぎると逆に手ぶれしやすく見づらい.ホールディングするのにちょうどいい重さというのがある.結局Nikonの復帰.残念ながらこのコンパクトな双眼鏡は2ヶ月でお蔵入りとなった.
 
 CarlZeiss Victory 10×32 T* FL 
倍率 10倍
対物レンズ 有効径32mm
瞳径 3.2mm
実視野角 69°
最短合焦距離 2m
アイレリーフ 116mm
サイズ 117 × 116mm・560g
価格 ¥250,000?
発売 2005年?

覗くだけとはいえ光学系のしっかりしたものを選ぼう.昔双眼鏡といえばNikonかZeissといわれていた.今回思い切ってZeissの双眼鏡を購入することとした.スペックの割にはコンパクト,完全防水,視野も十分である.結構高価だがそれだけのものはあると思う.対抗馬としてLeicaや SWAROVSKIの同格製品も検討した.実際覗いて比較したが,一見では差は感じなかった.(Zeissがややコントラストがいいと感じた.)結局値段とデザインの気に入ったZeissを購入した.
 
実際の使用に関しては明るさ,コントラスト,視野など全く問題なく満足している.外観の手触りもいい.さらに鏡胴の縦に走る堤もグリップ感を安定させてくれる.普段眼鏡をかけているのでアイカップは収納するが,Victoryでは少しだけ引き出したところにクリックストッパーがあり固定でき,眼鏡をかけていても脇からの光線の進入を防ぐことができる.